今日はフランス語堪能なベトナム人のおっさんと食事した。
会ってからず~~~っとしゃべり続けるカセットテープみたいなおっさんだった。
なんでそんな人と食事したかというと、
ひと目でたたき上げのガイコクジン労働滞在者とわかったから。
もう20年もフランスで常に働いてきたアジア人(ガイコクジン)。
そういう人ってどんなメンタリティーなんだろう?と単純に興味がわいた。
ニホン、韓国、中国の北アジア3国と東南アジア諸国では
ヨーロッパの国々との寄り添い方もぜんぜん違うので、その辺りも知りたかった。
このおっさんの場合は生来のおしゃべりみたいで
本当にず~~~っとしゃべってた。しかも相当な早口。
フランス人にさえ「もっとゆっくりしゃべって」と言われるくらいだった。
早ければ早いほど、私の耳には彼のお国なまりだけが残っていく。
アジア人ばかりの語学学校に行くと良くわかるけど、
フランス語の語彙力以前に発音が違うのって聞き取りに苦痛を要する。
互いにつたないのに、互いに発音がなってないので何言ってるかわからない。
いっそきちんとしたフランス語の難しい論文のよっぽどよく解るといった状態です。
おっさんのフランス語は完全なものだったが
完全なる労働階級のフランス語でもあった。
やはりしゃべれるのと話せるのは似ているけど実は違うと思った。
それでもおっさんの高速再生みたいなおしゃべりも
リズムや言い回し、ボキャブラリーは完璧なのだろう、
フランス人たちは問題なく理解していた。
発音に関して不快な表情をする(聞き取れないと自然に眉がよってしまうもの)
場面は一度もなかった(あんなにしゃべった中で一度も!!)。
でも私にはどうしても聞き取れない、だって私の脳内では
「聞き取れない→似た言葉なかった?→ああ、アレのこと言ってるのか→正しくは○○か→○○はこうれこれこういう意味→今始めて理解、、」
この一連の流れをいちいち繰り返さなければいけないから。
特にこのおっさんは普通の人の5倍はしゃべるので私の脳みそは大破。
途中から「年金安心ダイヤル」の雇われオペレーターばりに
「ええ、ええ、そうですか。ええ、ええ。そうなんですか?へぇ?なるほど。」なんて
合ずちだけで残り4時間くらい過ごしました。
そして私は痛感した。
発音が出来てないフランス語は相手にこんなにも苦痛を与えるものなのかと。
このおっさんは定期的に発声されるなまりだけが気になるくらいだけど、
私のフランス語なんてひどいなまり、つか発音間違い+文法間違い
+時制間違い+動詞活用間違いとほぼ何ひとつあってない状態なので、
それを理解するにはそれはもうひどいひどい苦痛を要するのだろう。
特にフランス語はその発音が美しく保たれ調和を持つように表記さえ変える言語。
フランス人をはじめヨーロッパ人は微妙な母音の違いまで聞き取れる
いい意味で「地獄耳」(普段の仕事にも活かしてほしいわ)なので
悪い発音は言ってみれば〝音の暴力〟〝脳への凶器〟。
どうりで私の相方が私の話を聞かない、聞きたがらないと思ったわ。
(ってこれは別問題!?(笑))
ヴェトナム人のおっさんとの会話は私にたくさんのことを教えてくれた。
フランスで働くアジア人はフランス人の3倍しゃべってなんぼ。
発音だけはどんなに努力しても努力したりないくらい、その代わり見返りはすごい。
自動詞・他動詞をきちんと覚えて、他動詞の時の代名詞は忘れずに。
VOUSを使った非常に丁寧な表現も日ごろから使うべき。
早口は労働階級(これは日本も同じこと)、
ゆったりとしたリズムでの品のある会話を心がける。
フランス語って茨の道だったのか。。。。がっくし。
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ジェラール・フィリップGérard Philipe
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