2020年7月よりジュゲムブログから引越中のため、すべての記事がこの新サイトトップページに飛ぶようになっています。お探しの記事は「サイト内検索」(ケータイでは右下「サイドバー」をクリック)にキーワードを入れて掘り出してください。人気記事より手作業で移行中です。Merci bien. À tout de suite!

ニース空港参りとその由来

先日、ニース国際空港へ行ってきました。
毎年2月1日の恒例行事、「ニース空港参り」でございます。
2年前(2005)の2月1日にコートダジュールへ初上陸して、
その時の感動と不安と一抹の希望を、つまり「初心」を忘れないために
自分に課してるまったくもって私的なイベントでございます。
今回はそのイキサツを書いてございますが、
長いので暇つぶしにどうぞお読みください。
私が始めてニースへ来た時というのは、
ワーホリ持ってパリの彼氏のところで1年のんべんだらりと暮らそ~♪と思ってたのに
パリの冬の寒さが嫌で「なんとなく」チケットを取っていた(国内便無料だったので)ニースから「戻ってくるな」と言われ(笑)、
まさにスーツケースに入るだけの荷物を持ち、
送れるだけの荷物をニースにいた知人に送り(後の現パートナー)、
予約したホテルは2泊分だけでという状態で飛行機に乗った。
突然に、たった一人、着の身着のままでまったく知らない土地に放り出されることになった私は手持ちのお金も貯金もぜんぜんなく(無計画人生。全ての原因はココっ!)、
手に職もなく、フランス語も今よりも理解できず、
家もなく、もちろん仕事や収入もなく、知人もいなかった。
(ワーホリなのに準備してなさすぎよね~。恥っ。)
「ニースなんて(いう知らない所には)行きたくない!なんでもするから側において!」と誰にでも懇願したくなるほどパリを離れるのは恐怖だった。
「一体全体これからどうすればっ(泣)。飛行機、離陸しないで~!!」と
悲壮な思いを乗せて、飛行機は無情にも灰色の空のパリから飛び立ってしまった。
やがて1時間もしないうちに、恐怖と不安にさいなまれる私を閃光が貫いた。
飛行機がダジュールの太陽にぐんぐん近づいてその強い光が
座席で身動き取れない私の全身を強く照らしていた。
圧倒的な光のパワーの中では悩みたくても悩めない(マジでまぶしくて悩んでなんていられない!)、悲壮感を漂わせたくても光の中では影もでず、
この時私の「過去」が全て焼き尽くされた気がした。
それまでの知識も経験も全て焼かれて、今自分にあるものだけが残された感じがした。
しばらく呆然とし、そして「ん?なんだべか~この光は?」と、ふと地上を覗き込むと
「ようこそ~!」「よくきたね~」「いらっしゃ~い」と言ってるとしか思えない光
そこらじゅうからきらめいてた。
各人の庭にあるプールが太陽に反射してキーラキラキーラキラしてたのだった。
どう考えても自分への祝福のように感じてしまう。
コートダジュールの太陽をリーダーに空からも地上からも、
ものすごい歓迎を受けて私は戸惑っていた。
現実問題は山済みだったし、何気に悩むのもスキ、、、だったのに。
ところでニース国際空港に着陸する飛行機は
観光者へのサービス?と思う程にゆ~ったり、上空からニースの海岸沿いの美しい建物や地中海の麗しいグラデーションを見せ付けるように「天使の入り江」上空を大きく旋回する。
始めてダジュール入りする観光客はみんな感嘆の声を挙げる。
私も先ほどの「太陽と陸からの大歓迎」にまだ呆然としてるところに、
今度は「地中海とニースの町並みからの大歓迎」のダブルアタック。
白いヨットを浮かべた地中海は「なんでも受け入れるから安心してごらん~。」とでも言っている様に見える(感受性豊かすぎ?)。
そんな衝撃の過程を経て、スーツケースを引きずり空港を出て
一番初めに目に留まったのはのんきに揺れるやしの木だった。
わ、、、やしの木なんだ、、、アホっぽい」それがニース国際空港の第一印象。
その直感は正しく、その後も「アホ全開」のダジュールライフにまみれることになろうとは。
空港からタクシーでホテルまでプロムナードデザンクレをひた走る間、
地中海のブルーに目を奪われっぱなしだった。
そのグラデーションの美しさもさることながら、
世の中にはこの海が「フツウ」と思って一生を終える人がいるのか、、、、。
「江ノ島こそ海」と思っていた私って一体、、、?

」と自分の小ささに衝撃を受けた。
すでに海辺で水着で寝そべる人々、遊歩道を仲良くお散歩する老夫婦、ローラーブレードする姉ちゃん達、、。
それを包み込む太陽と美しい地中海。
そんな光景をタクシーから眺めていた時、
なんとかなるかも~♪」そんな声が確かに腹の底の方から聞こえた。
その声に導かれて現在に至るといってもいいでしょう。
そんなわけで、あの日の不安と確かな希望を今一度思い出し、
現状に感謝、また怠慢になっている部分に喝を入れるために
毎年2月1日は「ニース空港参りの日」となっているのでございました。
長くなりましたが、最後まで読んでくださってありがとう!

コメント

タイトルとURLをコピーしました