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キリストの涙①

コートダジュールにある香りの聖地グラースでは毎年アロマテラピーシンポジウムが開催されます。

数年前その特設ブースでいろいろな珍しいエッシェンシャルオイルを買いました。

出会いは香りの聖地グラース

グラースでのアロマシンポジウムには希少な精油がいっぱい

数年前その特設ブースでいろいろな珍しいエッシェンシャルオイルを買いました。

希少で当然お値段も高めのものばかり。予算の関係上ほとんどは買えずに眺めていただけでしたが、主にアンチエンジングに効きそうなものをいくつか買って帰りました。

「さすがは聖地(の前の物販ブース)!」と日本では見かけない希少オイルの数々にただ興奮して買いそろえたものの、あまりに珍しいと文献が少なかったり、日本語じゃなかったりして効能について情報が少ないオイルもあり、もてあまし気味でした。

当時は自宅でネットに繋がっていなくて、自身のPCもなかったため調べる余裕がなかったのでしょう。価値のあることだけはわかっていたので冷蔵庫のチルド室で大切に保存していました。

時が過ぎネット環境が整ってわかったこと

それから時が過ぎ、先ほどおもむろに「この精油、何に効くんだっけ?」と思い出したように取り出した小瓶に書かれた「Pistacia lentiscus」の文字。
たった17文字のアルファベットが私を素敵な「検索の旅」といざなってくれました。

まず「Pistacia lentiscus」というのはマスティックツリーの学術名でウルシ科の洋乳香。
(ピスタシア・レンティスカスまたはスヒノス・マスティホフォロスと呼ばれる)マスティックはギリシャのトルコ半島に近いエーゲ海に浮かぶヒオス島にのみ群生する常緑灌木(背が低く横に広がるタイプの木)。
毎年7月~9月に幹にキズをつけ、そこからしたたり落ちる樹液が固まり涙の形になることからその樹脂は「キリストの涙」と言われています

その特徴にピンときた

ヒオス島でしか樹脂を収穫できない、そのためトルコ軍に制圧された過去を持つ、
なのに教会もそのままにキリスト教が許されてる、ヒオス島では谷を挟んた教会どうしでロケット花火を打ち合う祭りがある、、、。

ん?どこかで、、、。

樹液の滴る画像、エーゲ海の小島、ロケット花火打ち合う、、、

ピーン!「なんか最近TVで見た!」。

ギリシャの小島の話とくれば「ウルルン滞在記」に違いないと検索してみたのですが、実は6月7日放送の世界・ふしぎ発見! 「エーゲ海の熱い夜 静寂と喧騒の宝島 ギリシャ ヒオス島」という番組でした。

なんとなく見てた割にはその樹液のシーンの印象が強烈でした。
低木のねじれた幹から透明の樹液が涙型に固まって、それを村人が手で摘んでゆくわけでしかもエーゲ海に浮かぶ小さな島にしかその「涙」は姿を現さないなんて!

マスティック(キリストの涙)の効能

マスティックの樹脂はそのまま天然のガムとして愛用されていたそうです。
口腔内細菌への効果からガム、歯磨き、などが商品化されています。
地元ギリシャではボディケア用品なども販売されているようです。
抗菌作用が強く、最近は対ピロリ菌に効果を発していることから今後ますます研究が進んでいく様子。

オイルには「血行促進、若返り」「瞑想や浄化に良い」との効能が、、、♪(ちなみに5mlで8500~9800円位します)

時間と距離を経て改めて感じる出会いの神秘

不思議な縁で私の手元にある茶色の小瓶がこんな数奇な歴史を生き抜いてきた遠くの島の木からできていたなんて。
そしてたまたま「へ~」と傍観してた日本のTV番組のその中で「へ~!こんなのあるんだ!」と興味を抱いた「キリストの涙」を数年前から自分が持っていたなんて。

人生の中で何気なく見るもの、聞くもの、触れるものとは深いところでどこか繋がっているんでしょうね。
それを身近に感じられるようになったのはインターネットのおかげ。
ちょっとした小旅行気分に浸れるマスティストゥリーとヒオス島については次回ご紹介。

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