何年ぶりにこのブログに記事を書くのだろうか。(7年ぶりだった)
帰国後はずっと東京で暮らし、
フランス文化とは縁遠い生活を送っていた。
フランス語は年に一回クリスマスカードを書く時にしか使わなかった。
しゃべることはまずなく、
時々YouTubeでTF2を見たり、歴史ドキュメンタリー番組を見たりするのみ。
それでもフランスでの日々が私の人生を支えてくれていることは確かで、
いつでもやっぱり愛していました。
コートダジュールでのろくでもない日々は
10年以上たっても信じられないほど瑞々しく思い出せるのです。
そんな愛おしいフランスに新型コロナウイルスの魔の手が伸びています。
特にコートダジュールは北イタリアと地理的に非常に近く、
車社会のヨーロッパではたくさんの人が日常的に行き来しています。
私も電車で(東京から熱海に行くくらいの気分転換にちょうどいい距離です)たびたび遊びに行っていました。
北イタリアが封鎖された段階でコートダジュール地域へのまん延は止められないと感じました。
コロナ真っ最中の日本からフランスの心配するのも失礼かとは思いますが
日本人の私からフランスの生活習慣を鑑みると、
「ここも注意して!」
「ここも気をつけて!!」
みたいなところがいくつかあります。
まず、おしゃべりを全力でしないでください。
フランスの方々は人とお話する時、真ん前に立ってがっつり向き合っいがちです。
おしゃべりに真剣なんです。
どうでもいい話や仕事中のおしゃべりさえも真剣です。
そのうえ、発声が元気というか腹から声をだしますよね。
やめましょう。
私のようにぼそぼそしゃべりましょう。
また、コミュニケーションスキルが高いので、
バス停、スーパー、パン屋の列、電車の中どこでも知らない人とすぐに話だします。
その時はまた真正面に向かい合わせて腹から声出します。
当分控えるか、マスクをしましょう。
ところがマスクをする習慣がありません。
マスク、売ってるのあんまり見なかったし高いんじゃないかな?
私が掃除にマスクをかけた瞬間に当時のパートナーに大爆笑されて写真とられたくらいだから、、。
マスクへの親近感がある日本とはちょっと違って、
そもそもマスク=感染症患者=重症的なイメージを持っているので、
マスクすることで安心というより社会不安のアイコンをあちこちで見ることになります。
そのビジュアルからの精神的ダメージが心配です。
心配といえば、なんと言っても手洗い習慣がないことです。
基本的に乾燥している地域なので衛生観念が湿気の多い日本とはだいぶ違っていました。
放っておけば乾燥により菌が死滅するような環境。
汚れたら手を洗うんですが、
衛生のために手を洗う習慣というのは個人レベルではあまりなかった気がします。
だからそれぞれの神を信じる勢いで手を洗ってほしいと思っています。
宗教上の集いも制限されていると聞いています。
こんな時こそ、集い、祈りたいと思うので、
なんとか野外で距離をとってココロの安定を図って欲しいと思います。
また、ヨーロッパといえばビズの習慣ですよね。
ブログでもビズの儀式が長いというのをなんどか書いているのですが、
握手したうえで両ほほに3回か4回をその場にいる全員とするまで帰れません。
さすがに今はやってないだろうけど、子供の頃からの習慣はなかなかカラダから抜けませんからね。
ついうっかりビズしないように祈るしかありません。
こうしてみると、フランスのコミュニケーション文化を全否定するような状態なんですよ。
ストレスと恐怖が混ざってしまい、
フランスに住む人々の良いところを押さえこんでしまうことが心配でなりません。
フランスは家庭や学校での教育環境にばらつきがあるので
恐怖を感じると感情のままに暴力的に反応してしまう人も多いのです。
そのタイプの人間の数は日本の比ではありません。
とっても単純にとっても単純な犯罪や暴力(暴言や差別含む)が起こってしまうのです。
過去に激しい人種差別の歴史を飲み込んできたヨーロッパならではの
忍耐派と過激派のバランス感覚を保ち、
コロナの恐怖で崩されないことを祈るばかりです。
でも、フランスには強みがあります。
個人で考えること、個人で決断できることが何よりのフランス人の強みだと思っています。
例えば先ほど、
ルイ・ヴィトンなどを傘下にもつLVMHが
香水や化粧品の生産ラインでアルコールジェルを大量生産し、
保健当局に無料譲渡するとのニュースが入ってきました。
フランス革命以来の世界変革をもたらす言われているこの新型ウイルス。
かつて絶対王政を倒して、世界を変えたフランスです。
アイデアも信念も行動力もあるフランスなら
このウイルスとの戦いにも思わぬ方法で勝てると思います。
みんなとビズができる日を信じて、渦中の今は耐え抜きましょう。
全人類でこの変化を受け入れてアフターコロナがもっといい世界になるように、
ひとりひとりのココロのチカラを信じてがんばりましょう。
コメント