今、フランス語の勉強のため7~10歳用の「Orthographe」(綴り方、正書法)の本を地道に一からやり直してるんだけど、内容とは違う面で面白い。
私は数年前にアテネフランセのサンテティックを1部、2部と進み、その後は発音矯正の授業も受けたりもしていた。
なので発音記号と綴り字の関係は涙が出そうなほど、書かされ、直され、また書かされ、、
そのお蔭で記憶の片隅に残っているハズ。理論上は!
でも日常生活ではもう忘却の彼方なので
思い出すためにこの「子供のための綴り字法」なる本を手にしたわけだ。
アテネでは単語や文を発音記号に起こす、という作業をやっていたのだけど、
この教科書ではまったく逆。
耳から入ってくる音を書き表すためのルールが綴りってわけです。
例えば「みんなが聞いたことのあるペール(父)、メール(母)はどう綴るのかな?
「エール」って聞こえる音はèr かérと綴りますよ~。
この「エール」をよおーく聞くと狭い「エ」と広い「エ」がありますね~?
ペールはどっちかな~?そう、広い「エ」だよね?
だから綴るときはèrを使いますよ~。覚えたかな~?
じゃ、メール(母)は?メール(海)は?、、、」
と延々続いていく。
もう、ヒントなし。頼れるのは耳だけの世界よ。
もちろん理論的に綴り字の法則は確立されているのでヒントは音だけではないんだけど、フランスの子供は基本的にこの本の方法で育っているわけでしょ?
母音を聞き分けるのも大変だけどその母音に対しての綴りも数パターンあるわけで、
どうりでいい大人でも綴りを間違えたりするわけだと妙に納得。
もう、とにかく音。
人が言ってる「音」を聞き分けて頭の中でスペルを組み立て、
文を構成し意味を把握する。
けど、学校に行ってない人は「音」の聞き分けからいきなり意味把握までいっちゃう。
政府のやってる語学学校にはアラブ系の生徒が多いんだけど、
彼らは「あんた、何っ?もうぺらぺらじゃん。なんでいるの?」って思うほどしゃべれるんだけど、ビックリするほど簡単な文が読めない。
文法問題なんて口では答えられるのに書けない。
つまり文字が書けない、読めないので仕事につけない。
我々ニホンジンとは真逆!なお悩みです。
私なんてフランス語がつたないからたまに職場で伝言メモとか書くと
「すごい!ちゃんと書けるじゃん!」ってビックリされるけど
そんなもん書けるわっって心では思ってます♪
とにかくフランス語が徹底して「音」から入り「音」で出て行く言語だということを
嫌ってほど思い知らされる。
私は何か言うとき、言いたい単語が頭の中に綴られ→その視覚的情報が発音記号となって→口の筋肉に指示が行って→発声という過程なのだが、
脳内にその発音を作り出す口の筋肉の情報がないので、
知ってる日本語の発音筋を使ってしまい→失敗という負けパターン。
しゃべれる人は何か言うとき発声したい音とそれを作り出す口の筋肉を動かすだけで
頭は使ってないはずなのに(いやいや使ってるって)くやし~っ。
そんな私も南仏なまりのひどいフランス語(配管、配電、とにかく職人さんに多い)は何を言っているのか本当にさっぱりわからず、
いつも心で「~ずらよ、だんな」とか「そだなこと言っとらーしぇんがな、だんな」とか
勝手にみちゃくちゃな方言に訳して楽しんでマス。
そして一人ウケ。
そんなダジュールライフ。
ところでこの「子供のための綴り字法」の回答部分で
しばしば回答が省かれてるんですけど、
フランス人ママはこのようないい加減さを7~10歳の子供になんて説明してるんだろ?
つか正解を教えてっ(泣)。
季節労働で学んだこと①
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