私の働くリゾートホテルの朝食は25ユーロ(約4500円)。ビュッフェなのでそんなにがつがつすることもできず、だいだい人間どんなにがんばっても朝っぱらから4500円分も食べ物なんてとれないよ。
したがってたいていの人はジュースにクロワッサン、カフェオレにフルーツサラダ程度で満足していく。
皆さん本当に経済的に余裕のある方なのね、、、と半ばため息。
そんな朝食にいらっしゃるご年配の夫婦の方々には学ぶべきものがたくさんある。
お年を召してもものすごくパートナーを思いやっている。
そんな老夫婦のマダムは決まって美しい。
美しいったってずばり容姿!ていう美しさでなく(昔は相当な美人だったに決まってるが)圧倒的な暖かいオーラ。
マダムが朝食のテラスに降りて来ただけでぽっと野の花でも咲いたかのような暖かさが感じられるのは私だけ?
なのでムッシューも彼女をとても大切に扱っている。
ある時、あるムッシューがしきりに「あの角っこの席にお水を持って行って!!」って頼むから、「なんだよー。水はブッフェから各自持っていってくださいー。もー」くらい思いつつ仕方なしにグラスにお水を運んでいった。
そしたらマダムがちょうどお薬を飲もうとしていた時でマダムは自分でお水をとりに行こうと思っていたからビックリしつつも嬉しい!って感じで「まぁっ!ありがとう!」って満面の笑み。
その言葉には「なんて嬉しい!」って気持ちがあふれんばかりに詰まってて、私まで嬉しくなった。
まるで私が花束でもプレゼントしたみたいな嬉しがりよう。
ここで大事なポイントはマダムは私がお水を持ってきたのが彼女の夫の指示だとは知らないこと。
マダムは「なんてベストタイミングにお水を持ってきてくれるのかしら?!嬉しい!」って感じだった。
とても素直に「嬉しさ」を表現なさる。
私は「でもあんたのだんなが言ったんだよ。その感謝はあんたのだんなに言ってくれ」って感じ。
このマダムの嬉しがる顔がみたくてムッシューはあんなにしきりに「水をもって行って」と行っていたのかーとすぐに納得できた。
この夫婦の日常はこうゆう小さな小さな愛ある行動にあふれて続いているのだろう。
ご高齢のマダムなのにティーンのように嬉しがる。
彼女を嬉しがらせることにいまだに心を砕くムッシュー。
私の求める美的エイジング[:星:]とはこれなのだ!
これからも観察につぐ観察であらゆる美マダムの生成過程を報告していくよ!
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