旅行者でもそうでなくても、レストランでの飲食代はたいていカードで払いますよね。
その時にチップはどうしてますか?
よくマナー本には「勘定書きに〝チップ10%〟と書くとスマート」なんて書いてありますけど、スマートなのはお客様だけでいただくほうとしてはあまりうれしからざる方法なのであります。
クレジットカード払いでのチップの払い方
コートダジュールでならではのチップ配分事情
「何でっ!?現金はくちゃくちゃの5ユーロ札しかないし、
食事代の10%のほうが明らかにチップの金額だって高いでしょ?
なのになんでうれしくないのさ?」って声が聞こえてきそうです。
これには深ーいフランスならではの事情が幾重にも絡んで参りますが、お聞きおただけますでしょうか?
チップが生まれる瞬間にズームイン
ここで、レストランでの理想的かつ一般的な会計の流れを見てみましょう。
- 「ラディシオン!」と告げる
- 会計係が合計金額を出してウエイターまたは会計係が勘定書きをテーブルへ。
- どんなお金持ちでも注文内容と金額はチェック(これ本当です)
- カードで払う旨を伝えると
- 店員がカードの読み取り機を持ってきて、
- その場で合計金額を入力、カードを差込み、
- 客にコードを入力してもらう or レシートが出てくるのを待ってサインする
- 席をたってお帰りになり、片づけ担当のぺーぺーがテーブルの上にチップを見つける
あぁ、それなのに5のあたりで「勘定に10%チップを」なんて言われると、
計算機もなく10%上乗せした金額を暗算して入力できるわけもなく、うろたえます。手間取って時間もかかるのでやめましょう。
生まれたてのチップはどこへ行くのか?
しかし、問題はそれだけじゃなくて、その10%はどこへ行ってしまうかです。
ねぎらいなきチップは無駄遣い
そもそもそのチップを誰にあげるつもりなのかを意識しなくてはなりません。
日本人がチップ下手なのはここを意識せず
「チップ渡すってガイドブックに書いてあるから」と別払いのお勘定みたいな感覚でいることが原因です。
テーブルに残すチップは安い給料で働いてる給仕達へのねぎらいのはず。
支配人など上の人達には別の名目(良い席を取ってくれたとか、こないだの女性の件はしゃべるなとか、、、)でちゃんとチップが渡されてるのですし、オーナーは売り上げからきちんと収入を得ています。
あなたの払った(つもり)のチップはあげたい人に届かない
なのにカードにチップをつけられてしまうと、
その10%は「その日の店の売り上げ」に計上されてしまうのです。
「その日の売り上げ」はそのレストランなりホテルなりの経理部が管理しますので、10%は経理部の管轄に。
こうなるとその10%が現金化されて給仕達に還元されるのはいつになるやら?
というより現金化されるかどうかも藪の中へ。
仮にものすごい律儀で親切で従業員第一主義の熱血オーナー(つまりそんな人はいません)が10%を現金化してくれたとしてもその日給仕したスタッフに行きわたる可能性は極めて少なく、たいていは受け取った「給仕長」なり「なんとか長」がネコババです。
しかもカード払いってことはその10%の中からもカード会社にコミッションがいくのではないでしょうか?!
これだとあなたを給仕してくれた人、あなたが「ありがとう」の気持ちを伝えたかったから払ったチップがぜんぜん違う望まぬ誰かの手に渡ってしまいます。あなたの気持ちが伝えたい人にはまったく届かないのがこの払い方の最大の問題となります。
お金を使ってココロを伝える
ですから慣れてる人はレストランへ食事に行く前相当する額のチップ用の現金をあらかじめ用意しています。
チップをいただく側としてはこのやり方がベスト。
チップをあげる側だって、喜んでほしいからあげるのだからこのやり方がベスト。
結論:クレジットカード払い時のチップの渡し方
カードのサインの後、立ち去る前にテーブルに10%相当の現金を置いていく
やっぱりチップは現金が一番です♪♪(その国の通貨でね!)
私はよくご馳走されるので「せめて私に払わせてください」(本当か?)と
5、10、20ユーロ札を携えて行きますが、それが全財産ってこともよくあります。
ごちです。
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