ヴァロリス(Vallauris)という町の名前を知っていたら、
その方は無類のピカソ好きか、
無類の陶芸好きといって間違いないでしょう。
ヴァロリスは中世から陶芸に適した良質の土が採れることで
〝陶芸の町〟として発達した山あいの静かな小さな田舎町。
そんな田舎町が一躍世界に知られるようになったのは
20世紀に入り、ピカソが住み着き、陶芸活動に勤しんだから。
(当時ピカソと親交の深かったコクトー、レジェなど芸術かも当然ここを訪れています)
今でも陶芸の土産物屋が立ち並び、アトリエで制作活動が行われている
ヴァロリスには「戦争と平和」が有名な国立ピカソ美術館があります。
(ヴァロリス観光局のHPにて「戦争と平和」パノラマ動画が見られます!)
観光シーズンも真っ盛りになり、それまで閉まってた陶芸店もすべて開いて
〝ようこそ、陶芸の町ヴァロリスへ!〟って状態になりました。
実はヴァロリスに私が不定期に通うフランス語学校があります。
授業の間に(日本人の私にはものすごい長い)休憩が入るので
暇つぶしに小さな陶芸店に入ったりしています。
が、ヴァロリスの陶器ってデザインがものすごくダサい、、、っていうか田舎風?
よく言えば伝統的なプロヴァンス風?
絵柄はたいてい「セミ」「ラベンダー」「オリーブ」。
ヴァカンス用の別荘に置くならともかく、
普通に生活してる私が欲しいと思えるものがなくていつも
「技術はあるし、釜もある。
職人もいてハード面はそろってるんだから、
デザイナー入れればなんとかなるのに。もったいない。」なんて
生意気なことを思っていました。
それとは別にかれこれ2年くらい「ゴハン茶碗」を探していた私。
アジア食品店にあるのはあまりに安っぽいし、
habitatのカフェオレボウルは厚すぎたり大きすぎたり、
どうもしっくり来るものがなかった。
日本人にとって神聖な「ゴハン」を入れるものだけに、
工場で量産されるようなものでなく
何か魂のこもったものが欲しかったのです。
そんなある日、やはり授業の休憩時間に陶芸通りをひやかしていて、
ふと目に留まったミモザ柄のカフェオレボウル。
この小ぶり加減、陶器の厚みや重さ、、、
そしてなによりこの〝ちょいダサ〟加減が
捜し求めていた「ゴハン茶碗」にぴったり!
もちろん店内のすべての陶器はレジのおばあさんの親族が作る完全手作り品。
ひとつひとつ形も違えば絵も微妙に違う。
この店にはど真ん中の「セミ柄」とは一線を画す品のある絵柄が多かった。
煮物に合いそうな(作ったことないけど)青い花柄、
鶯色に薄ピンクの桃の花柄、、、と、どこかノスタルジック!
いろいろ迷って結局始めに目に留まった黄色にミモザ茶碗を購入しました。
使い始めるとますます愛らしく、
こんなに〝ほっこりした幸せ〟を与えてくれるものかと驚くばかり。
たったひとつ、私が買ったそのひとつが
その日の売り上げの全てだったんじゃないかと思うような小さな店で、
それでも代々陶器を作り続けてきたファミリーに流れる愛が
製作過程で染み込んでしまったような不思議なヴァロリスの茶碗。
ひとつしか買わなかったために
彼氏と奪い合いになっているのでもうひとつ買いに行くつもりです。
Musée national Picasso
(La Guerre et la Paix
musée Magnelli, musée de la céramique)
Place de la libération – 06220 Vallauris
www.musee-picasso-vallauris.fr
開館時間(←これがクセもの。よくよくご確認あれ)
7月1日まで :de 10h à 12h 15 et de 14h à 17h
7・8月 : de 10h à 19h
9月1日~15日: de 10h à 12h et de 14h à 18h
9月16日以降 : de 10h à 12h et de 14h à 17h
火曜定休
VALLAURIS GOLFE-JUAN 観光局
Alpes-Maritimes (06) – Côte d’Azur
B.P. 155, 06227 VALLAURIS Cedex
Courriel : tourisme.vgj@wanadoo.fr
Site internet : www.Vallauris-Golfe-Juan.fr
「戦争と平和」は別館にありますがひと目でわかるように表示されていません。
まず見てから本館に入るほうがそわそわしなくていいかも(笑)。
ダジュールの田舎ではとにかく「昼休み」にご注意!ポチっ →
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