おしゃべり検定を知っていますか?
来年度からワーキングホリデーの申請時に記載する欄ができ、フランス大使館によると(ワーホリの)取得には一級程度が望ましいという微妙な基準が新たに設けられました。
検定試験はフランス大使館で行われ、1~4級のうち1級が合格ラインと言われています。
以上、全部うそです。
すみません、でも実際にフランスで「生活」しようって人には一考の余地あり。
どんなに文法がちゃんとしてても、どんなに政治経済についてフランス語で語れても、文壇デビューできるほどの筆記能力があるとしても、フランス生活で必要なのは結局のところ「おしゃべり力」。
「コミュニケーション」なら得意!誰とでもすぐ仲良くなってお話できる!って人、喜んじゃった?
うーん、でもそれとも違います。
フランスでの「おしゃべり」はコミュニケーションでもなく、知識のひけらかしあいでもなく、ただただ「俺の話を聞いてくれ」っていうエゴのぶつかりあい。
人の話の腰を折ってでも話す、他人の話は聞かずに話す、他人の反応など省みず話す
、大事なことじゃなくても、くだらないことでも、今する話じゃなくても、今、話してる場合じゃなくても話す!
これが「おしゃべり力」。
フランスに滞在するニホンジンに一番かけてる能力はこの「おしゃべり力」かも。
だって、小さい時から先生に「無駄な話はするな」と「静かに~」と教えられ、お家でも「他人の話は最後まで聞いてからしゃべりなさい」とかなにしろ「沈黙は金」とまで言われて育った私たち。
「男は黙ってキリンビール」がかっこいいという文化を良しとして生きてきたニホンジンにとって美徳・礼節の間逆にあるのが「おしゃべり」なのに。
フランスで働くようになって一番ビックリしたのが彼らの「おしゃべり力」。
それは朝から帰るまで果てしなくひたすら繰り返される。
相手は誰でもいいし、所かまわず、どんな仕事よりおしゃべり優先。
フランス語がわかるようになってくれば来るほどその内容のどうでもよさ、特に「(その会話が)今でなくてもよさ」に驚くばかり。
それに女より男の方がしゃべる、しゃべる。
そんなにしゃべれる男は日本ではタモリか明石屋さんまくらいだよ。
しかも仕事しながらしゃべれないのでその間の作業は完全にストップ。
たぶんどの職場でもこんな感じだと思うよ。
だからフランスではなんでもかんでも頼んだ仕事は日本の10倍の時間がかかる。
(2分でできることを20分。18分間はおしゃべりという計算。
なので1日でできることは20日かかり、1ヶ月でできることは10ヶ月(私の滞在許可証申請参照)。
「おしゃべり」=「無駄なこと」と教え込まれてる私たちにとって理解しがたく、受け入れがたく、我慢ならない事柄。
だからこう考えてみた。
勤勉なニホンジンならこう思えば特技の「努力」で取得できるかも、、、と。
「おしゃべり力」として、フランス語能力と同様に「おしゃべり能力」も客観的にレベルが把握できるようになれば、と。
ちなみに最低レベルの4級では「同じバスを待つバス停で赤の他人と差しさわりのないおしゃべりを30分間」。
最高レベルの1級では「今まさに仕事へって他人にその人とはまったく関係ない自分の親類の話をおもしろおかしく20分」というもの。
フランスで働くならやっぱり1級はないとつらいね。(笑)
例えばこれは私が朝食係として働くホテルで早朝にエントランスを空けてくれるコンシェルジュならお手の物。
いつも急いでるのに「日本ではこうなんだってね。」「昨日TVで、、、。」「昨日、中国人をナンパしてさぁ、、、。」
いいから黙って早くドアを開けやがれ!って毎日思ってるよ。
でもダメダメ!こんな考えじゃ4級も取れないよ。
「そんなことより、、、」と急いでるのも忘れて自分の興味ある話にのめりこめなきゃ検定はとれないね。
はぁ~。
「おしゃべり検定」1級への道はフランス語検定1級よりも遠く険しい。
(ちなみに私はフランス語検定2級取得者。)
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