電車で帰りたいだけなのに

フランスの国鉄(Société Nationale des Chemins de fer Français, SNCF)の遅延についての記事です。コートダジュール民の遅延のとらえ方、やり過ごし方をご紹介しています。コートダジュール地方の旅行中に電車移動を予定している方は読んでおいたほうが良いでしょう。

電車で帰りたいだけなのに

この写真って以前載せたことがあったでしょうか?
これは国鉄駅(多分ニース駅)の電光掲示板。直訳すると「遅れる可能性あり:40分」となります。

初めての経験の時:ひとりパニック状態編

40分も遅れる電車の案内を初めて見たときは心から驚いて「え゛~っ!!!」って叫びました
そして「何それ?事故?40分って!どうする?どうしよう?!」って今でも覚えているくらい相当に動揺しました。今日の予定は丸つぶれの危機にパニクッてしまいました。

しかし連れは「あちゃ~。じゃ~待つか」とすんなり受け入れ、周りの人々の反応も同じような冷静なものでした。「恒常性バイアスか?おまえらどうかしてるぞ⁉」とひとり目をむいていましたが、駅員に「どうしてくれる!」なんて詰め寄る人はもちろんいません。
数人の旅行者が「私の電車、いつ出るんでしょう?」と尋ねる程度。

みんな、「40分遅れるってことは、ま~50分経つ頃には電車に乗れるってことじゃない?」とポジティブ。原因も考えず、ただひたすら待ちます。「うそだろ~⁉」とのココロの声を押し殺す私。
(駅前にカフェや売店があるところならいいけど、国道沿いの周囲に人気もないような駅で、手持ちの本も雑誌もケータイもない場合なんて最悪です

そしてそれは駅員も同じ。
だからたとえ詰め寄っても答えはわかってる、「原因はわかりません。40分遅れると書いてあるから40分待つしかない。すいませんけど、私のせいじゃないんでね。」(すいませんけどはない場合が多い)

ちなみに「40分遅れ」は結構しょっちゅうあります。が、さすがに住民でも「今日は運が悪い」って思うみたい(笑)。たいていは10~20分遅れで、この場合は気にも留めず普通に待ちます。

ダジュール住民でダジュール時間で生きてる人にはそれでいいかもしれないけど、旅行でたとえばTGVに乗る人や乗り継ぎの電車の時刻がある人なんかはどうするんだろう?ってよく思います。
電車がだめならバス!という手もありますので、右往左往してみてるのもありでしょう。
ただし駅前がバスのグランドステーションでないのが大いに痛いところ。駅前にはピックアップ用の小さな巡回バスしかこない駅のほうが多いです。しかもそのバスも1時間に2本程度。)

払い戻しはあるのか?テクニック編

また、切符を買ってから電車の遅延に気がついても基本的には払い戻しに応じてくれません
(遅延はすでに表示してあってそれに気づかなかった方の落ち度だから、という理論)
、そこはフランスなので屁理屈攻撃かお情け攻撃で窓口の人と交渉すれば返金に応じてくれることも高い確率であります。

遅延40分のやり過ごし方:アドバイス編

電車が40分来なくて狂わされる人生もあろうかと思いますが、それも含めて臨機応変にその時々の出会いや出来事を楽しむのがジュール流国鉄との付き合い方というわけです。

事実、国鉄コートダジュール線は海岸に沿って走っているので40分もあればビーチに繰り出し、浜辺に寝そべってのんびり電車を待つことも可能です。

ニホンジンが直面するコートダジュールでの主な問題は「のんびりできるかどうか」にかかってきますのでのんびりベタのみなさん、がんばりましょう!
 

旅行者のためのダジュール・ルール

  • SNCF(フランス国有鉄道)は基本遅延する(15分ならラッキー)
  • 超大幅遅延であっても振替輸送はない(友人にお迎え頼めと言われる相互援助社会)
  • 遅延になったら駅前散策かカフェで誰かと話すかビーチで日焼け(ニースは海まで遠いので不可)
  • コートダジュールの旅の課題は「果てしなくのんびりできるかどうか?」

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