グローバル化と宗教と家族と結婚と。なんかいい話だった。映画「最高の花婿」

ブログの引っ越し&リニューアル化に伴い、なぜか最近フランス映画をよく観るようになりました。なにせ私が見ていたフランス映画は「ケータイ」も「インターネット」もない時代のモノばかりでしたから、ここ10年以内くらいに制作された映画情報をアップデートしたいなと思っていたので、最近のフランスの文化や街並みを観れるものを中心に選んで観ています。

そんな中何気なく観た「最高の花婿(Qu’est-ce qu’on a fait au Bon Dieu ?)」がとってもおもしろかったです。

なんかいい話だった「最高の花婿」

写真はイメージです

多様な人種や宗教が混在するフランス社会を背景に、敬虔なカトリック教徒の夫妻が、娘の結婚相手をめぐって繰り広げるドタバタを描いたコメディドラマ。フランスで1200万人を動員する大ヒットを記録した。ロワール地方の町シノンに暮らすヴェルヌイユ夫妻は信心深いカトリック教徒で、3人の娘がそれぞれユダヤ人、アラブ人、中国人と結婚。これから結婚する末娘には、せめてカトリック教徒と結婚してほしいと願っていた。そんな末娘のボーイフレンドは、カトリック教徒だと聞いて安心していた夫妻だったが……。2015年のフランス映画祭では、「ヴェルヌイユ家の結婚狂騒曲」のタイトルで上映された。

2013年製作/97分/G/フランス
原題:Qu’est-ce qu’on a fait au Bon Dieu?
配給:セテラ・インターナショナル

https://eiga.com/movie/82204/

文化的観点からも興味深く、”グローバル化”のフィルターがかかってもなお人間関係のあるところに必ず存在する「すれ違い」や「あったかさ」や「人間愛」をじんわり描いていて、なんか面白かった!んです。

あらすじてきにはブルジョワ家庭の4姉妹それぞれに異文化圏の夫ができて気苦労する夫婦と家族の物語といったところで、フランスにいればどの家庭でも一度は体験する事象のためかフランスでは5人に1人が見たといわれて大ヒットというのもうなずけます。

婿3人の小競り合いが最高ですし、全体的になんとも言えず偏見とイヤミのギリギリを攻めつつも人の根底には愛があることを映像化してくれた監督すごいです! 鼻から「ふ」と変な風に笑っちゃうシーンが多くて常に半笑いで観ちゃってました。

私の場合

私もフランスにいた時は彼のファミリーはユダヤ教でニホンジンである私は基本的にはBuddhistであり、でも神社のほうがよく行くからShintoistともいえる。

一度彼に「あなたはjuifsだよねぇ?」と確認したところ、「両親がそうだから一応そうだし、お葬式とかはそうなるけど、君もBuddhistかと言われてもガチの仏教徒的なことは何もしてないしガチの信者でもないでしょ?それと同じだよ~」と言われてすごく納得したことがあった。

クリスマスは祝うけどパックは何もしない、彼のご家族がそんな寛容な感じでよかった~と思っています。この彼とは結婚には至らなかったけれど、結婚してたら結婚式はどうなっていたのでしょう?こんな感じでフランスではみんな一度はこの問いを突き付けられるのがヒットの要因だったのでしょうね。

フランス行くなら観ておくべし!

フランスでは4大宗教の特徴的なことはみんな互いになんとなく知ってて、個人の(信仰の)濃さに応じて言っていいこと悪いこと、からかって言うくらいは許されること、どんな時も絶対言っちゃだめなことなどを強弱つけてコミュニケーション取っている。

そんなフランス社会の日常を軽やかに描いて、爽やかに着地させたのがこの「最高の花婿」でした。

フランスで恋したいなら絶対観とかなきゃだめだし、留学する方も観ておいたほうがいいと思います。フランスに限らず外国で友人ができて、いつかなんらかのパーティーに呼ばれた時の「宗教上の」薄くて目に見えない膜のような緊張感を予習しておきましょう!そこにいかに食い込み、また触れずにいるか、、、それもフランス社交の楽しみ方なのです。

映画内でのセリフをまんま覚えておくと気まずい瞬間に便利な言い回しをたくさん習得できて実践でめちゃくちゃ役に立つでしょう。

ちなみに続編が2020年3月に上映(ちょうどコロナ禍で上映されてたか不明)されていたようです。まだ観てないけどきっとおもしろいだろうから私は当然観ます♪原題「Qu’est ce qu’on a encore fait au bon dieu?(神様、どうしてまたこんな目に?)」見ただけで薄笑いしてます。

オフィシャルサイトは信じられないくらい重いのでこちらのサイトからチェックしてみてください。「最高の花婿 アンコール」 

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