TF2の20時のニュースで国鉄JUAN-LES-PINS駅が出てきた。
線路を横切る人々のニュース
何かと思ったら「バカンス中のコートダジュール線ではビーチに行くのに線路を横切る人が多くて、過去5年で33人が命を落としている」という話。
なぜ渡る?急いでいるの?
いえいえコートダジュールで「急ぐ」人はおりません。
線路を横切るに至るワケ
ビーチの立地
コートダジュールの海岸線はすべて風光明媚な絶景ビーチ。
しかし、駅から歩いていけるようなところは“ビーチ”として商業利用されているか、または大金持ちによって私有地として所有されています。
“フリーのビーチ”でかつ“夢のように美しいビーチ”は
車でも行けない場所や岩場を這って進まなきゃ行けない場所、
船で(または遠泳して)海からしか行けない場所など
ハードな行程を余儀なくされることが多い。
とにかく誰もいないビーチが好き
でも他人嫌い&締り屋&手付かずの自然大好きなフランス人は
どんなに遠くてもその道のりがハードでもなるべく人のいないビーチを目指します。
(そのあたりの真剣さはニホンのサラリーマンのプレゼンにかける意欲くらい高い)
下の写真をみてください。基本的にコートダジュールの海岸線は海→ビーチ→お金持ちの別荘→道路→線路の順で構成されています。
車や電車でと通り過ぎる時には最高の眺めでいいんだけど、
歩きの場合、この「線路さえなければ、、、」という場所は確かに多い。
(そのおかげで海沿いまでみっしり家が建つことなくダジュールらしい豊かな海岸の佇まいを保つことにもなっている)
電車もそんなに来ないし、セキュリティもあってないような金網だけだったりしたら、
「渡っちゃえ!」って思う気持ちもとってもわかる。
ただね、、、私ならやっぱり渡りませんよ。
その先のリスクマネージメントが手薄
だってニホンジンですもの。交通法規を守る云々以前に、つい計算してしまいます。
金網をよじ登ったり、くぐったりして線路を横断できたとしても、
その先が人の足でたどり着けるビーチかどうかわからないし、私有地の防犯カメラで通報されるかもしれないし、猛犬や番人がいるかもしれないし、すでにヌーディストに占領されてるかもしれないし、、、。
第一コートダジュール線はTGVも同じ線路を走ってるんですよ。
新幹線の路線内に入る愚かさまではさすがに持ち合わせておりません、、。
こういった諸々のリスクに対するリターンを考えると、多少お金払っても清潔でリッチな雰囲気のプライベートビーチのほうが面倒くさくないと思っちゃうのは、資本主義観念に蝕まれているからでしょうか。
理想のビーチへの執念
「面倒くさい」そう思うポイントが私とフランス人とは大きく違うのかもしれませんね。
フランス人が望む状態をかいつまむと、
「他人が介在しないこと」「お金を使わないこと」「己の欲が満たせること」だと思う。
「己の快楽を追求するためなら死んでもいい!」と思ってるフランス人、
「他人が介在するわずらわしさを除去するためならなんでもする」フランス人だからこそ
“決死の線路越え”をもいとわないのではないでしょうか?
でもそれこそ事故でもあったらまたまた電車が遅れてさらにいつ再開するかわからなくなるので、ほんとーにやめてもらいたい。駅に飲み物の自販機がなくて駅前に店もない無人駅も多いので、そこでいつくるかわからない電車をただひたすら待つのはほぼ拷問です。
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