日本に一時帰国してからというもの周囲にふんだんにある日本語をむさぼり読んでる。
だって無料なんだもん(笑)。
パリならともかくコートダジュールでは日本語を読める機会なんてないもんね。
フランスではアマゾンで書評を頼りにじ~っくり選んで清水買い。
届いた本(雑誌も)はまさに宝物。
日本語で書いてあれば全て、隅々まで舐めるように(?)何度も何度も読んでいたな~。
ある意味日本にいたときより新書、ベストセラーなど熟読したかも。
なので帰国中の今、読みたい本は手軽に手に入るのでががっと早読みして数こなしているかんじ。
感動を得るというより知識として頭に入力しておくタイプの読み方かも。
そんな中、やっと手に入れたぼくと1ルピーの神様だけは別。
早読みしたけど読後、人生変わっちゃったって思ってる。
ぼくと1ルピーの神様は現代インドの外国人には語られないリアルな生活が舞台。
私が働くフランスのホテルでインド人の同僚もいたけど、彼らは間違いなく裕福な家庭の出身者で貧困層の存在はあまり詳しくないし話したくもないような様子だった。
高級リゾートホテル勤務ともなればロシア、中国、インドの上客の動向も気になる。
その中でもアジアでもヨーロッパでもないインドは文化、複雑な宗教、経済、、等興味は尽きないものの、なにをどこから知ればいいのか、、、と思っていた。
ぼくと1ルピーの神様の内容は高額賞金のクイズ番組に優勝した少年が警察に捕まって、そこでインチキが無かったか証言していく話。
回答を少年が知るに至った彼の人生が出題順に断片的に語られる形式で話が進むので時系列はめちゃくちゃでそこを把握するのが読み始めはちょっと大変。
でもその手法こそがこの物語を面白く、そして哀しくも感じさせる重大要素。
淡々と語られる少年の人生のひとコマひとコマにキリキリと胸を刺される。
人間の欲、大人の欲の荒波に翻弄される人生を定めを知り、その中で身を守る知恵を身につけ生き延びる日々。
やがて「生き延びる」生活から抜け出すためのチャンスを自ら呼び込んでいく。
感動するわけではないのだけど、頭のスイッチが完全に入れ替わってしまう。
本の世界と自分の現実世界がつながれて、自分のなかに新しい世界ができる。
読む前の自分にはもう戻れなくなる。
本と現実の間でトランス状態みたいになって気持ちいい(?)。
チャンスとは何なのかをこれほどわかりやすく教えてくれた本は今までないと思う。
最近流行のスピリチュアル系ストーリーとも切ない犯罪者の物語とも「幸運を呼び寄せる!」系のご利益本でもない。
著者の執筆までのストーリーもミラクル!で好き。
映画化決定だそうなので映像化される前に自分のハートで感じたほうが絶対お得。
私のブログに来てこの記事に目が留まったのもひとつの縁、、、。
ぜひとも時間を作って読んでみて!
(ちなみに私は2日間で読んだ(仕事してないんでね[:たらーっ:]))
HERMES UN JARDIN SUR LE NIL
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